Read me 激情

しがないゲーオタ女子の真・闇ブログ

ブログ爆誕1周年

7月7日、七夕。

ブログを始めて今日で1年経ったー。やったー! ちゃんと1ヶ月に1回は更新してるし、それなりの文字量でネタを書けてるし、なによりも日記を書いても三日坊主だったのが続いてるぞー。自分えらい。自分おめでとう。誰も特に褒めてくれないので、自分で自分を思いっきり褒めてあげたい。

 

そういえば、なぜブログを始めたのかのきっかけを書くつもりが、エントリ3回目くらいからすっかり失念してたので、一年越しにちゃんと書いておきたいと思う。

 

90年代半ば頃から始めたインターネットで、いろんな個人サイトを覗くようになり、ふと時々思い出して過去のブックマークを巡回してみると、ほとんどが404 Not Foundポータルサイトのトップページへ飛ばされてしまった。

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あらゆる404 Not Foundコレクション。ブックマークにあった個人サイトを10数件回っただけでも、こんな感じ。本当はもっとキャプったのだが、有名どころのウェブサービスがここ数年で立て続けにサービス提供終了しており、サイト管理人の意思とは無関係に一斉に消えてしまっているのかも。

数年前、かつて熱心に覗いてたサイトが、いつの間にか忽然と消えていて、当時の記憶や思い出しか残っていない……こんな現場に遭遇するたび、昔誰かが住んでいた街や家を訪ねてみたら、家はすでになくなっていて更地になっているのを見つけてしまったときのような、複雑な気持ちになる。もちろん、現在もまだ存在するサイトもいくつかあったが、更新が数年前で停止していて、事実空き家状態だった。

インターネットを始めた頃から、いつか自分のドメインやホームページを持つこと――つまり、インターネットに自分の住居を構える、居場所を持つことに憧れていた自分は、こうした現状がとても残念でならない。いまはSNSがそれぞれのインターネットの居場所となっていて、わざわざURL入力しなくても、すぐに誰が何をしているかが見渡せて、ゆるっと気軽につながれて、一挙一動に理解したつもりになれるが、やはり自分のサイトを持つのを一戸建てとすれば、SNSはマンション・アパートってぐらいに、居心地や拠り所が異なる気がする。

とにかく、自由で気ままにできる、自分だけのインターネットの居場所が欲しくて仕方がなかった。個人ブログというジャンルだったら誰でも平等でいられると思い、長年公用で使い慣れていた理由で、個人のはてなでIDを取得し、ブログを作った。

この一年、更新したいと思ったときだけ書いているだけでも、意外とコンスタントに続けられている。僻地ブログだし誰も読んでないだろうから……と好き勝手に書いてたら、思わぬ知人や友人たちが目を通して感想を送ってくれたりしていて、急に恥ずかくなったり。

特にここ最近は個人的体験もあって、アレコレしたりゲームしたりでブログを書くモチベーションも両方上がってるのが嬉しい。そうだよ、こうして感情の起伏を文章化して、インターネットに載せたかったんだよ……!!

 

そんな感じで、これからもまた1年、2年と、細々と長々と続けられたらいいなーと願っている。そしていつか更新しなくなってしまっても、たとえ空き家状態でも、居場所だけはこのまま残しておきたい。もし自分の身に何か不幸が起こり更新できなくなっても、自分はここにいて、どこかで生き続けている、と言いたい。まあそれ以前にはてなのサービスが終了しちゃったらアレなので、運営はどうか半永久的にがんばってほしい。

今後とも、どうぞよろしくー。

 

『Fallout TOKYO』―空想ゲームの妄想BGMリストを作る

ここで音楽関係のエントリを書き続けたりした影響もあってか、近頃、PC作業中はますます音楽を聴くようになった。

昔聴いてた大量のCDを実家から持ってきてPCに取り込みまくったり、YouTubeで関連動画をあちこちサーフィンしたり、そこから気に入ったアーティストのアルバムをiTunesストアで購入したり、Amazonプライムミュージックでよさげなプレイリストを追加したり……洋邦・新旧・ジャンルを問わず、なんでも節操なく聴いてて、ものすごい久しぶりに自分の中で音楽激聴きブームがキてる気がする。いつもはラジオがBGMかつ時報代わりになってるので、聴き入りすぎるとついつい時間を忘れてしまいがちになるのが難点だが、心の栄養にもなるし、すごくいい傾向だと思う。

なので、今回も音楽について書く。

 

本題の前に、最近ちょっと気になった音楽ネタから。

先日E3 2017で発表された新作の中で、『The Evil Within 2』(サイコブレイク2)のトレーラーを見たら、この曲のカバーが流れてた。

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デュラン・デュランの「Ordinary World」。懐かしー。スペースシャワーTVなどでよくPVを見ていたわ。なぜ今さらこの曲が……? と思ったが、歌詞の内容もなんとなく本作に合ってる気がするし、トレーラーでのカバーバージョンは陰鬱にアレンジされててすごくよかった。『Gears of War』の第1作目トレーラーで、ティアーズ・フォー・ティアーズのカバー曲「Mad World」(映画「ドニー・ダーゴ」のゲイリー・ジュールズ版カバー)が使われていたのを、なんとなく思い出した。こっちもなんか激しく陰鬱だし曲名がWorldだし、共通点多くない? こういうゲームのトレーラーで引用されるカバーセンス、ちょう大好物だったりして。

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で、ここからが本題。

冒頭でYoutubeサーフィンしまくってると書いたが、じつは今、自分だけのミックスリスト作成にハマってる。純粋に好きな曲だけ集めたり、雨の日や真夜中などのシチュエーションに合わせた選曲とか……アレコレ追加しまくってるうちに、ひとつ閃いたことがあったので、こんなミックスリストを作ってみた。

 

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もし『Fallout TOKYO』があったら、きっとラジオはこんな感じの曲を流すかなーという妄想トラックリスト。

キャプ画像なのは、まだ作りかけで非公開だから。完成しても公開しないかもしれない。『Fallout』はアメリカのワシントンD.C.やラスベガス、ボストンが舞台で、これがもし日本、東京が舞台だったらどんなゲームで、ラジオ局はどんな曲を流すかな-、と空想しながら選曲してみた。

本家がレトロフューチャーをモチーフにしていて、ゲーム内の架空ラジオ局もオールディーズがメインなので、東京だったら戦後の昭和歌謡あたりが置換されるかなー、とか思ったが、幼少期に音楽番組でよく聴いていた、耳に残るちょっともの哀しいヒット曲あたりも入れたらどうだろう……などいろいろ想像してたら妄想爆発しまくった。たとえばこんな感じとか。

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いやー、どの曲も、いつ何度聴いてもメロウな気分になるね。80年代バブルの夜明けっぽい都会的な恋愛観ソングとか、核戦争後の崩壊された大都会・TOKYOのディストピアな光景にピッタリだと思うのだが、いかがだろうか。東京JAPの「摩天楼ブルース」は、ただグループ名に東京と入ってて摩天楼だからって理由だけで入れてしまった。安直~。しかし今さらだけどすごいグループ名だよね。何となくだが、よくTVの通販番組で売ってる、安っぽくていかにもな昭和歌謡ヒット曲CD集みたいなアレも目指してみたり。本家の朗らかで脳天気なオールディーズならって、ジャパニーズオールディーズも選曲してるんだけど、笠置シヅ子の「東京ブギウギ」あたりがベタな鉄板になっちゃいそう。

あと最近、ちあきなおみがなぜかマイブームで、リスト内にも何曲か入れてて、本作のテーマ曲も「星影の小径」にしたいくらい。

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そんな具合で、ありもしない架空のゲームのことを勝手に空想して、勝手に妄想サントラを作ったりするの、スーパー楽しいのでとてもオススメ。俺の考える『Fallout TOKYO』のラジオはこんな感じ! ってのがもしあったら、ぜひ教えてほしい。

20年ヒストリー、その後

今回はただの日記。
先日の20年ヒストリー記事内でも少し触れたが、先週末、20年ほど前に勤めていた編プロのOB会@池袋に行ってきた。20年前のスナップ写真アルバムを持参して。

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おお……これが“ストリートのREAL”こと、週末夜の池袋!!(用途間違ってる)めっちゃ若者がいるー。いやーすごい。どこ歩いても人がいっぱい。交差する人の言葉は外国語が多く、ガイジンも増えてるのかしら。

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開始が20時と遅めだったので、1時間ほど前に池袋へ着いて、時間つぶしついでにゲーセンスナップ活動するべーと散策したが、池袋の土地勘がなさすぎたのと、週末の池袋のすさまじい人混みに流されて迷子になってしまい、やっと到着した池袋GIGONESiCA台で『雷電Ⅲ』をレベル4までプレイするしかできなかった。もっと雷電やりたかったしゲーセン巡りもしたかったよ……。しかし週末夜の池袋、通行人が突進してきたりしてとても怖い。そもそも夜の繁華街自体が久しいし、Googleマップを見ながらでも相変わらず迷子になるので、池袋=知らないこわい街、のイメージは自分の中で払拭できずじまいだった。新宿や渋谷あたりならまだわりと知ってるんだけどなー。

 

OB会では、約4年ぶりに再会したスタッフもいれば、退職後以来、長くご無沙汰していた先輩デザイナーも来ていた。在職時は腰まで長いロン毛をなびかせ、パンクロッカーのように細い体躯のアウトロー風情だったのに……髪はさっぱりと短く白く、体格も中肉中背となり、一体どこのサラリーマンですか!? あまりにも容貌がガラリと変わってしまい、今回再会したスタッフ内ではもっとも衝撃的だった。男性陣は長年の不摂生などもあり、頭髪から体格まで変化が著しかった。逆に女性陣はとても綺麗でオシャレになっていて、時間の経過に男女差を感じた。中には昔と一切変わりがない、まるで不老不死のようなスタッフもいて、自分もできればこちら側であってほしかったが、周囲の反応からすると、やはり中身しか変わりがないような印象だった。この20年、いろいろ激変したからね……。

持参した20年前の写真アルバムをみんなに回して見せたところ、もっと悲鳴が上がるほど反響があるかと思いきや、みんな懐かしがるものの、意外と昔の写真を見ても驚きがないというか、あー昔はこうだったねー、とあっさりしていた。どちらかというと、この場にいない端々に写っている短期在籍スタッフの名前が誰も出てこなくて、脳の老化を感じたり。顔は分かるんだけど名前が……。

しかしこうして20年来の付き合いの人々と再会すると、みなほとんどが20年前と変わらず、現役でオタク系(中にはお堅い企業系もいるが)編集やデザイナー……中には立派な売れっ子作家先生にもなった人もいたりと、同じフィールドで闘い続けているのが素晴らしい。かくいう自分もそんな末端中の片隅に、転職や人生の機転を迎えながらもしつこく居続けてるのだが、それは20年間、心身ともに健康だから仕事が続けられるのであって、実はわりと奇跡なのでは? 参加メンバーやその他の人々の近況を尋ねると、中には別業種へ転職したり、体や心を壊して故郷へ帰ってしまうなどのドロップアウト組もいたり。音信不通や消息不明になっている人もいるが、今のところ訃報の類いは聞いてないのも安心した。われわれが勤務していた編プロの社長は、先日還暦を迎えてパーティーを開いたそうだ。自分らくらいの年齢の頃に、何十人ものスタッフを束ねていたのは実はすごかったんだなーと、今さらながら感心してしまった。

OB会の帰り、幹事担当の同僚女性編集が「10年前だとちょっと前すぎてだいぶ恥ずかしいけど、20年前だともう恥ずかしくもなくなるわよね~」と言っていて、まさにその通りだと思った。

繰りかえすが、先日古いアルバムを眺めても特に動揺もしなかったのは、20年経ってみたら、いつの間にか、やっと過去の自分と振り返り、向き合えるようになっていたのだ。“思い出補正”と似た言葉、“時効感”と呼んでもいいかもしれない。

20年前。振り返りたくない過去だってもちろんあり、楽しかったポジティヴな思い出よりも後悔や反省などのネガティヴな感情に支配されそうだが、このしばらく使っていなかった記憶の引き出し、脳を刺激されるような何とも言えない感覚を、たまたまタイミングよく開催されたOB会で、他のスタッフたちにも共有したかった。そんな思いがみなに通じたかどうかは別として、久々の酒席で話のタネにはなったようで、やはりアルバムを持ってきてよかった。「ポケットアルバムなんて、もう何年も触れてないかも」という感想ももらった。

OB会参加メンバーも含めたかつてのスタッフ、おそらく誰もここを読んでいないだろうけど、その節は大変お世話になり、また(主に酒席でも)ご迷惑をおかけいたしまして、すみませんでした……でも、若きあの頃、数々の戦線や死闘をくぐり抜け鍛えられたおかげで、20年経った今でも現役で仕事をしていられるのだと、誇りに思っております。誠にありがとうございました。また再会できるかは分かりませんが、これからもどうぞ、いつまでも、お達者で。

 

そんなわけで、シリーズ(?)でお送りした20年ヒストリーも、OB会の参加により、ひとまずこれで第一部おしまい。これで次の20年もやっていけるぞー。そのための20年ヒストリー回想なのであった。

次は編プロ後に転職した広告デザイン会社時代のOB会にも出てみたいけど、回転の速い職場ゆえ、あらゆる時代のOBが入り交じったり家庭持ちがやたら多かったりなど、開催もお誘いもらうのもなんだか難しそうな……個別でこぢんまりとやるのが一番かなー。あと会場は、できればゲーセンのあるロケーションがいいな。飲み会前にゲーセン寄って遊べるの、最高だよね。

誰かの人生を体験するゲームたち

もうあっという間に6月だよ!! ああ、季節がまた駆け足で変わっていく……。

 

PS4ゴールデンウィークセールで、360版で遊んだ『ウルフェンシュタイン』がたったのワンコイン、100円ぽっちで売っていたのを即買いしたのがついこの前と思ったら、もう次のセールが始まってるし、しかも今日のE3ベセスダショーケースで続編が発表されちゃったでないのー。ヤバい。そして長いこと待ってた『Cuphead』もついに発売日決定して、この秋冬はこれ以上やりたいタイトルがかぶってリリースされないでくれーと願うばかりだ。とりあえず続編の予習&復讐のため、ヒャクエンシュタインの続きをやりながら待とうかなー。

youtu.be

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とか言ってる間に、PS4の大作セールで『Fallout 4』が2000円未満で売ってたので、遅ればせながらとうとう買ってしまった。んで早速キャラメイクから始めたんだけど……

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試しに自分そっくりのアバターを作ったら、今の髪型まんま(前髪ぱっつん前下がりボブ)のヘアスタイルがあって、予想以上に似てしまいキモくなった。しかも隣にいる旦那(男性キャラ)がいちいち「いいね、かわいい瞳だ!」「その顎に惚れてしまったんだよ」とかベタ褒めしてくるのでさらにキモい。でも、まあ……悪くないわね。悪くない!(パーツ決定時、実際に自分へ言い聞かせるようにこう喋る)

こんな具合で男女キャラメイクをいろいろと試してるうちに、ついうっかり男性キャラで決定ボタンを押したら、自分そっくり女性は男性キャラの妻役となってそのままストーリーが進んでしまい、間もなくしてあっさり死んでしまった。なんか自分と同じ顔のキャラが目の前で死ぬのを見ると、何とも言えない気分になるね……。今回は基本的に主人公は男性固定で、男女どちらかは選択できず、MODで女性キャラにしたりして遊ぶのだと後々知った。そういえば、今回の『Fallout 4』は、『3』のようにVaultで生まれ育つスタートでなく、赤ちゃんのいる男女夫婦って設定からのスタートなのも意外だった。前作ではFallout世界の人生を赤ちゃんからスタートさせられたので、荒廃したオープンワールドへ自己投影する感情移入がしやすかったが、今回はパパ(あるいはママ)となって、誘拐された赤ちゃんの息子を取り戻すのが目標っぽいので、新米パパがんばってねーという一拍置いた距離感だ。寄り道が多すぎて赤ちゃん育っちゃって会える頃にはデカくなってそうだけど。

 

で、ふと気づいたのが、最近ゲームで、誰かの人生を体験する機会が、なんとなく増えてるのかなーと。ついこの間、こんなフリーゲームに出会ってそんな思いに駆られた。

seeminglypointless.itch.io

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『You Must be 18 or Older to Enter』。90年代のダイヤルアップ時代、家族が留守の間に部屋でひとり、エロサイトを覗くあの緊張感を追体験できるゲーム。“あの”と言われても、女子である自分にはそんな体験は特になかったので正直分かりかねるが、当時のインターネットには、見ようと思えばエロいものが見放題の未知なる世界が……エロ画像が表示されるのを、茶室でお茶を点てるのを待つかのごとくじっくりと見つめる、ドキドキなシチュエーションは何となく想像はできて、それをゲーム化してしまった発想が素晴らしいなーと感激した。もはやXvideosやカリビアンコムに殺されてしまったような密かなドキドキ感、果たして今の若い世代も抱き続けているのだろうか。しかしこのティザートレーラーは最高だね。誰もいないけど、つい背後を振り返りたくなるよ。

 

wired.jp

『That Dragon, Cancer』。少し前のタイトルだが、これも気になった追体験ゲーム。BS1のドキュメンタリー番組でもゲームが完成するまでのいきさつを垣間見て、テーマの重さに色々と深く考えさせられてしまった。現実でもゲームでも、息子の癌をやっつけて退治してグッドエンド、というわけにはいかないのだ。ただの映像ドキュメンタリーであればよくある話かもしれないが、この体験をゲームにして他人にも体験させることによって、さらに共感を強められている。自身の人生体験をゲームにしてしまう発想に、ゲーム制作者の業や性(さが)も感じてしまったり。

 

誰かの人生を体験するゲーム、それこそVRゲームがいよいよ台頭となってゆくのかもしれないが、映画の主人公になれたり、激しくダイナミックなアクションを体験するのでなく、もっとより一層パーソナルな、超個人的ドキュメンタリーがゲームで体験できるようになれたら、楽しいとか面白いの評価レベルでなく、人生コンティニュー感……あの日あの時の誰かや、誰かになりたかった/なれなかった自分が、少し報われるのかなって気がする。まあ報われても何かあるわけでもないけども。たとえ誰かの人生を追体験しても、何も残さないし残らないのも、ゲームだからいいのかなーと。

毎日忙しく過ごしてるけど、こうして時々は、どこかの誰かの人生に少し思いを寄せてみてもいいよね。そんな感じ。

 

追記:

『Emily is away』もなかなか素晴らしい人生追体験ゲームなのだが、こっちは最近出た続編も遊んでから、改めて書いてみたいなーと思った。ちなみに自分はAOLメッセンジャーよりもICQ派だった。アッオー。

store.steampowered.com

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このレビューも最高なんだよね。「どうしてあのとき……?」って切ない気持ちが、いつまでも胸に去来してくる。

jp.automaton.am

 

訊かせてよ、あなたの20年のヒストリーを。そして未来を

ちょいと私信になるが、個人的にすごいリスペクトしてる、とあるゲームブログの方から「先日の暁天礼讃ブログ、とてもよかったです」とメッセージをいただき、スーパー恐縮&感激してしまった……いやーありがたい。長年スタイルを変えず定期的に更新しているのを心底尊敬しているゲームブログなので、ヒッソリと見習いつつゲーオタブログを続けてゆきたいと思った次第です。今後もどうぞよろしく。


つい先日、『ToHeart』20周年を迎えてざわめく人々がタイトルについて語るのをネットで目にして、何かにつけて“〇〇n周年”って区切りというのは、ユーザーやファンである自分自身のただひたすら老いていくばかりの人生と、年月を重ねてもいつまでも永遠の若さを保ち続けるコンテンツとの時系列関係と、つくづく密接してるんだなーと感じてしまった。あと映画や漫画、アニメよりもゲームのほうが、プレイ原体験によって時間の重みをより一層感じてしまう気がする。たとえば年号や西暦と当時やってたゲーム&思い出がリンクするみたいなアレだ。

かくいう自分も、主に過去のゲームにおける“〇〇n周年”ムーブメントとやらに、ある程度乗っかったりビジネス面で加担したりしなかったりで、ついこの前“〇〇n周年”を祝ってたのが、いつの間かすでに5年も10年も経っていることに驚愕したりするのもしばしばある……で、ふと思ったのが、n周年を機会に、タイトルに対するみんなの思い出を聞くのもいいのだが、今はもっと、ごく個人的なエピソードというか、タイトルと寄り添っていたあの頃の自分だけの思い出、つまり個人的ヒストリーやドキュメンタリーのほうがもっと聞きたいし、絶対に面白いハズだし、断然興味がある。

 

なぜそんな考えに至ったかというと、先日ある探し物のため、実家の倉庫を探っていたところ、およそ20年ほど昔のスナップ写真やアルバムがたくさん発掘されたからだ。そう、まさに『ToHeart』がリリースされた頃の。

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ほんの一部だが、手元に持ってきた。96〜98年、2002年頃の、街の写真屋でもらったポケットアルバムや当時好きだったハローキティのアルバムに雑に入ったままの、主に飲み会やイベントでの自分の写真たち。少し前だったら、もう絶対に二度と目にしたくない、すべて燃やし尽くしてしまってこの世から存在を消したいくらい恥ずかしくて仕方のない存在だったけれど、およそ20年近く経ったいま見返してみると、なぜかすんなりと向き合えてしまった。もしかしたらここ最近、ブログなどであらゆる思い出を回顧したりしてる都合で、ちょうどいいタイミングで実際の写真を目にして、改めて記憶の再確認ができてむしろよい機会だったのかも。

というわけで、みんなやあなた、誰かの20年のヒストリーを聞きたいかわりに、人様に見せられるレベルだけになるが、自分も20年ほど前のスナップ写真とともに、超個人的ヒストリーをざっくり語る。なお、事務所の方針でネットに顔出しNGなので、顔部分はMiitomoにて加工させてもらう。

 

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97年11月、編プロ時代、DTPデザイナー2年目の職場にて。ナマイキに気取ってるなー。写真では茶髪だけど、髪も青や緑に染めたりもして自由な社風だった。あとこの頃はメガネをかけてなくてタバコ吸ってた。フロア全室喫煙って今じゃ絶対に考えられないよね……。以前書いたエントリーのフランス人の同僚もこのフロアだった。デスクにあるPower Mac(たしか7600あたり)やエヴァ缶コレクションが時代を感じる。スタッフが会社近所のam/pmで大ブームだったチョコエッグを買いまくって、チョコだけ余りまくったのをよくもらって食べてたり。この頃、ゲームは主にレースゲーばかり遊んでたけど、仕事(攻略本制作)以外ではあまりやってなくて、フランス人同僚の影響で、Image ComicsやTop Cowなど新鋭レーベルのアメコミに夢中だった。

 

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96年10月頃のイベント写真。編プロのえらい人から「ホビー系フェスで出展するからコスプレしろや!」と命令され、なぜかある劇団の舞台衣装を着せられて売り子をやることに……。多分生まれて初めてのコスプレかも。他にもワンフェスでパワードスーツ衣装を着せられて売り子をしたことも。ゲーム誌のバカネタ記事で体操服やナースのコスプレして、フリー素材みたいに何年も載っていたこともあったり。ヨゴレ仕事ってやつですかね。

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会場にかっちょいいスポーン様がいたので記念撮影。そういや会場内ではバットマンの超完璧なコスプレした桂正和が歩いてた(誰も気づいてなかったっぽい)。どうでもいいけどこの写真を加工するために、Miitomoのショップでコスプレでかぶってるのと似たような黒のシルクハットを探したが、見つからなかったので黒のパナマ帽を購入してかぶせた。自分はいったい何をしているんだろう……。

 

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時は飛んで2002年3月、広告デザイン会社時代の社員旅行、サイパンにて。同僚たちと夜中、サイパンの妖しい繁華街に繰り出し、ロシアンパブや大人のおもちゃ店を冷やかしたりした。Miitomo顔で隠しちゃったけどまだタバコ吸ってて、この頃からメガネをかけてた。カバンの口が開けっぱなしは今も変わりない。編プロ時代からヒステリックグラマー好きのヒスっ子で、このTシャツもまだ持ってるけど、今着るとムチムチに広がってしまう……痩せててお金に余裕があったからヒスを着られたんだなー。この頃は仕事がめっちゃ忙しすぎてゲームはあんましできず、友人宅へ転がり込んだ際におすすめゲームを遊んだり、仕事柄、漫画ばかり読んでた。しかしこの半年後、その後の人生をすべて変えさせられたゲームキューブ版『PSO EPⅠ&Ⅱ』が出ようとは……。

 

以上、ざっくりと超個人的な20年前スナップ写真&ヒストリーでした。実際のところアルバムには、ここへ絶対に載せられないような醜態晒しまくりなスナップで溢れているのだが、どれもベロベロに酔っ払った飲み会やはしゃいだイベントの写真ばかりなのでどーしょーもない。迷惑顧みず、男女構わず抱きついたり絡んでたのに、どれも苦笑いの表情ばかりな周囲のみんな、とても優しかったんだな……ありがたい。そして今さら謝っても遅いけど、ごめんなさい。

しかしよくもまあ、当時の自分、あらゆるシーンで写ルンですを手に写真を撮りまくってはマメに現像してたなぁと、我ながら感心する。今となっては大変貴重な、当時の時代や空気感がパッケージングされたスナップ写真ばかりだから。先日ちょうど編プロのOB会に誘われたばかりなので、今度アルバムを持って行くかな。とはいえ本気でこの世から抹消させたい写真も多々あるので、どこか人気のない僻地でコッソリと燃やしてしまいたい。マイ焼却炉欲しい!

ところで今回これを書いてて、大好きな『レイジレーサー』も20周年を迎えてリミックスアルバムがリリースされたり、『リッジレーサー』の音楽フェスが開催されたり、なんだかすげーお祭り状態に気づいた。ヤバい! アルバムは速攻予約した!! レイジレーサー20周年おめでとうー!!!!

sweeprecord.com

t.livepocket.jp

 

こうして昔の若かりし頃の写真を目の当たりにできるようになったのは、とある機会をきっかけに、20年ほど前の過去をフラッシュバックのように振り返る体験があり、そういやあの頃の自分ってどうだったっけ……? と辿っていたら、結果的に、歳を重ねて心境の変化がいよいよ去来し、20年経った今になって、やっと昔の自分と向き合えるようになったのが非常に大きい。というか2017年のまさしく今が、人生の軽い折り返し地点、20年を起点とした一区切りなんだろうなーと実感する。ある意味、成人式パート2みたいな。年寄りくさいかもしれないが、いつまでも大人になんかなりたくない今の自分が、かつて本気でそう願ってがむしゃらに、無邪気に生きてきた昔の若い自分を、あーこいつ若いなぁ、イキってるなーと、ついに冷静に客観視できるようになってしまった、そんなお年頃。

 

これを読んでいるみんなは果たして、どうなんだろうか。

だいぶ恥ずかしくてブザマでカッコ悪かったけど、自分はやっとこの20年のヒストリーと、真っ正面から向き合えたよ。未来を、次の20年を生きるために。

 

みんなの20年ヒストリー、そして未来も、よければぜひ訊かせてほしい。

 

今日誕生日なのに寝込んでるヤーツー

月曜夕方からどうも体がだるいなー、と思ったら高熱が出て、次第にノドの奥に白い斑点ができて痛くリンパ腺も腫れてきたので耳鼻科に行ったら、急性扁桃炎と診断された。そんなわけで、今日はせっかくの誕生日なのにひたすら寝込んでる。

昨年の今頃は、大好きな大相撲観戦に連れて行ってもらう超サプライズ誕生日プレゼントがあったのに……。つ、つらい。しかもまだ微熱や頭痛が続いてるしー。仕事や用事も溜まりまくりだけど、ただひたすら安静にして回復するしかない。

 

誕生日や誕生月になると、あらゆるネットサービスからお誕生日おめでとうメールが届くのだが、任天堂からプラチナポイント300あげるよメールが来たので、ログインがてらしばらくやってなかったMiitomoを起動してみたら、自分のMiiにお祝いされた。

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お前が俺で、俺がお前で……!? と一瞬アイデンティティークライシスに陥りそうになったが、たぶん体調が悪いせいかも。しばらく起動してると、数人のフレンドからお誕生日祝いの伝言が届いた。1ヶ月ほどご無沙汰してたのに……ありがたい。日付が変わった瞬間にお誕生日お祝いメッセージとか来ると、最高に嬉しいよね。

 

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寝込みバースデーとなってしまい散々な一日だったが、家族からお洋服のプレゼントをもらった。わーい。最近オシャレに目覚めてるのでコーディネートが捗る。

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さらに、ノドが痛いのでのどごしがいいもの……プリンとかが食べたい、というリクエストにも応えてくれた。成城石井の高いフルーツプリンとマンゴージュレプリン。うれしー。寝る前なのに全部たいらげてしまった。

 

しかしもう誕生日を祝うってほどの年齢ではないのだけども……ちなみにここ20年以上、自称“永遠の14歳”を通していて、毎年「エヴァパイロットになれるね!」とめでたがっていたが、いつまでこんなことを続けていられるのやら。とにかく健康が一番だと痛感した誕生日だった。皆様も、どうかくれぐれもお体をお大事に。

暁天礼讃 ―空が白んでくるまでしたい、アレコレ話―

早いもので、もう今年も5月半ばをとうに過ぎてしまい、気づけば日も長くなり、夕方には外から夏の匂い(海が近いので厳密には潮くさい)がただよってくる。近頃は、空がまだ明るい夕暮れに日の長さを実感することが多く、以前は早朝に起床したり、徹夜やオールナイトしてると夜明けが早くやってきて、日の長さ=夜の短さを実感する機会のほうが多かった気がする。

先日もSteamゲーミングの件で少し書いたが、それほどまでに、夜ふかしの機会も失い、夜起きていられる生活環境でなくなってしまった。好きな2大深夜TV番組に「月曜から夜ふかし」と「タモリ倶楽部」があるが、いずれも毎回リアルタイムでなかなか見られないため、録画で見てる始末だ。

 

そんなワケで、夏も近づき夜も短くなってきたので、夜明けを惜しむようにゲームとか映画とか本とか趣味に嗜んだり、気の合う誰かと一緒に過ごすとかで夜ふかししたい……ってよりも、夜通しで何かに夢中になっていたい、そして空が徐々に白んできて、儚く美しい朝焼けを眺めていたい願望が、いまとても強まっている。つまり、暁(あかつき)を礼讃したい。ゲームしまくってたらいつの間にか朝になってたってのも最高だし、昼夜の時間概念があるゲーム内でウロウロしてたら明け方になっちゃうのも大好きだ。昼と夜でエンカウントできる敵が異なるのもいい。

今回は、ゲームとあまり関係ないネタばかりになりそうだが、仕事で完徹して気づけば朝という最悪シチュエーションは一切除き、これまでの過去にどんな夜明けが印象的だったかを、書き綴ってみようと思う。

 

J-WAVE「Still Life」と課題と過ごした暁

20数年前、美術学校の専門学生だった頃の話。

課題の提出に追われて徹夜するときのお供は、J-WAVEの深夜ラジオ番組だった。前回エントリでも軽く触れたが、MC RYUの「Soul Train」や「Across The View」からの流れで、午前3時スタートの「Still Life」もよく聴いていた。オープニングテーマ曲の“After the Rain”が、深夜から早朝までの、静かでゆるやかに流れる時刻と雰囲気を象徴するようなメロディーで、今聴いてみても、課題制作に没頭していたあの頃と、番組エンディングを迎えて朝がやってくるあの時間帯を思い出させる。自分にとっては、永遠の深夜早朝のテーマ曲だ。なお肝心の課題は、いつも登校時間ギリギリで完成させていた。

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作曲者・宮浦清氏本人の演奏による“After the Rain”。オリジナルも好きだが、こちらのギターリフが素晴らしいアレンジも最高。

また、 前職の職場BGMでもJ-WAVEを聴いていて、2002年頃にメジャーデビューで存在を知りファンになった、5人組の侍ジャズバンド「PE'Z(ペズ)」の“Akatsuki”も、まさしく曲名を呈するように最高にイカす夜明けのアンセムだ。こちらは都会の朝焼けを駆け抜けるような疾走感で、めちゃくちゃカッコイイ。解散しちゃったのが今でも残念。

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●深夜のテレビ映画たちとの密やかな暁

自分がもっとも好きな日本映画のひとつに「太陽を盗んだ男」(1979年/長谷川和彦監督)があるのだが、17年前の6月、ある土曜の深夜に地上波放映されると知り、ビデオ録画予約していたが、楽しみすぎて自室のテレビでリアルタイムで夢中になって見ていた。

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本作は中高生くらいの頃、たまたま付けたNHK衛星第2で放映されてたのを見たのが初見だったが、ビデオも出ておらず、あまりの衝撃にもう一度観たくなり、「ぴあ」でこまめに都内の単館上映をチェックして観に行ったほどだった。後年リリースされた、予約特典ポスター付きDVDはもちろん買った(ポスターは行方不明になったが……)。当時はジュリーの妖艶で中性的な美しさに夢中だったが、歳を重ねたいま見ると、ヘリから落ちても死なない菅原文太の滾る男の頑丈さに惹かれる。まーどっちもカッコイイわよねー。

念願だったテレビ放映が終わると、外はすでに薄明るくなっていた。劇中でいうと早朝のカーチェイスシーンくらいの明るさだった。映画の余韻に耽っていると、突然部屋のドアが開き、母が飛び出してきた。「赤ちゃん、無事に産まれたってよ!!」と叫びながら。

3歳年上の姉が、二人目の子ども(姪っ子2号)を早朝に出産したのだ。どうやら急に産気づき、産科へ向かう途中の車内ではすでに頭が出ていたらしい。二人目ってやっぱり早いんだね……と、夜ふかし中に突然の報せだったのでとてもビックリしたが、とにかく無事に産まれてよかった、と安堵した。そんな姪っ子2号も今では高校2年生となり、チアリーディング部に入部して筋肉隆々ガールとなり、彼氏もできて青春をエンジョイしている。

 

もう一本、深夜にテレビで観た映画で紹介したいのが、18禁映画になるが、「四畳半襖の裏張り」(1973年/神代辰巳監督)。学生の頃、実家で加入しているCSの映画専用チャンネルで、深夜帯に日活ロマンポルノが放映していたのを発見して、70年代のめくるめくエロチシズムの匂い立つ世界に、自分はたちまち密かに夢中になり、家族たちが寝静まったリビングで、こっそりと観ていた。特に気に入ったのは神代辰巳監督作品で、本作と「赫い髪の女」(1979年)は最高傑作だと思う。

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あれほどこっそり拝聴していた日活ロマンポルノが、気づけば今ではネット配信でも気軽に観られるようになっていた。細かい内容はあまり覚えていないが、情交シーンの合間に時折入る、若い見習い芸者のお稽古シーンで、タマゴを股にはさんで歩いたりなど、いわゆるシモの締まりを鍛える肉体訓練が、なんだか滑稽かつ鮮烈だった記憶が。当然だが、誰しも最初は駆け出し時代があるんだなーと感心した。

そして物語の終盤近く、主人公の芸者が遊び人の得意客と座敷で夜通し絡み合っていると、暗闇だった障子の窓が徐々に明るんできて格子がくっきりと浮かび上がり、場面が変わって朝焼けの海が映し出されるシーンが、男女の情愛を彩るようにとても美しく、深く印象に残った。オトナって朝が来るまでこんなエッチな事してるんだ……と思ったのだった。

 

●『逆転裁判』を一気にクリアしてしまった暁

話題がだいぶ偏りすぎたので、路線変更的にここでちょっとゲームの話を。

ついつい夢中になりすぎて、ゲームは完徹&夜明かしした経験は幾多もあるが、ひとりでじっくりプレイ、クリアしたら気づけば朝だったゲームで印象深いのは、ゲームボーイアドバンス版『逆転裁判』(以下『1』)。逆裁シリーズはリリース後しばらくしてから評判を聞き、追っかけで遊び始めたらまたたく間にハマってしまい、以後DSでのリメイク版も何度も遊んだ。リメイク版は出るたびに画面の明るさに驚いたなー。

『1』の最終話「逆転、そしてサヨナラ」のクライマックスで、狩魔豪への怒濤の追い詰めが始まると、止めどきも時間感覚も完全に見失い、翌日も仕事なのに一気にクリアしてしまった。小説を夢中で読んでいたら朝になったように、真夜中にひとりで携帯ゲームに没入して遊んでたら朝になってたのは、たぶん『1』が初めてだったかも。あの時の空は、頭の中のように真っ白だった記憶がある。以降のシリーズももちろん面白くて大好きだが、『1』のように朝まで没頭プレイはせず、翌朝に響かぬ程度にマイペースにセーブしながらクリアした。

 

●レインボーブリッジ、湾岸線から眺めた暁

2000年、田町のデザイン会社に勤務していた頃、徹夜仕事が終わるとタクシー帰宅(ちゃんと手当が出た)するのがわりと日常的で、終電を逃したあとに帰るときもあれば、始発が出る少し前に帰るときもあった。ある夜、いつものようにヘトヘトになりながら、大手広告代理店前に王蟲のように並んでいるタクシーに乗り込み、芝浦入口から湾岸線を走り出した。もう眠いし疲れてるし寡黙な運転手に当たってよかった……とシートにぐったり身を任せて到着まで寝ようとしたら、登ったばかりの朝日が、今まさにくぐり抜けようとしているレインボーブリッジを、オレンジ色に染め上げていた。

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ちょうどいい車載動画があった。進行方向は逆だけどその時に見たのとほぼ同じ、レインボーブリッジからの都会の朝焼けが綺麗に映されている。

カーラジオからは、いつか子どもの頃に聴いたことのある、静かな口笛のメロディー。実は曲名がいまだに分からないが、そのメロディーと目前にひろがる大都会の早朝の眺望の組み合わせが、なんだかとてもエモーショナルすぎて、自分はちょっと涙ぐんでしまった……ただアクビをかみ殺して涙が出ただけかもしれないが。夜明けはすべてのものへ平等に訪れるのだと感じた。

 

●夢の中で見た、あの暁

この体験と光景がよほど印象深かったのか、いつかこんな夢を見たことがある。

真夜中、東京にある高層マンション最上階もしくはペントハウスのような場所……摩天楼で、大好きな男性と、夜の大都会のライトアップを眺めながら濃密な一晩を過ごしたあと、男性のバイクに乗って夜明けの首都高、レインボーブリッジを駆け抜ける……って、なんだか現実設定完全無視な、女子の青春妄想大爆走な夢って感じで、書いててめっちゃ恥ずかしいが、いつか見た美しい朝焼けレインボーブリッジが夢にも現れてくれて、目が覚めたあと、とても嬉しく、気持ちのよい夢心地だった。またああいうスピード感と時間を感じられる夢を見てみたい。

 

以上、暁があまりにも愛おしすぎて、いつか見たあらゆる場面の暁たちがいつまでも忘れられなくて、儚くも美しいからこそ、半永久的に残したくて、ブログにしたためてみた。

現実ではもう朝焼けなんて、深夜早朝に出かける用事でもない限り見る機会はないが、たとえそんな用事でもひとつ作ってみて、また新しい暁を眺めたい。ここかしこで「早朝ウォーキングとか健康的でいいですよ!」って声が聞こえなくもないが……まあ、ひとまずそんな感じで。おしまい。