Read me 激情

しがないゲーオタ女子の真・闇ブログ

あなたのトリコ

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うちもついに、PS4本体をお迎えした。
先日の飲み会PS4タイトルの話題などを聞いているうちにPS4がとても欲しくなり、これを機運に感じ、お仕事がんばったご褒美も兼ねて思いきって買っちゃった。モデルはタマゴの殻みたいな質感のグレイシャー・ホワイト1TB。初ソフトは『人食いの大鷲トリコ』(以下『トリコ』)。福音館古典童話シリーズのようなパッケージがずっと気になっていた初回限定版がまだ売っていてくれてよかった。

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エキサイティングなエンターテインメントの世界のはじまりだ!

PS4と『トリコ』を買ったあとに、家族が『Horizon Zero Dawn』を買っていて、購入直後は、毎晩PS4コントローラの奪い合いをしていた。早い時間に寝てしまう自分がおおよそ負けてしまうのだが、家族のホライゾンゼロのプレイを背後で眺めているだけでも楽しい。トールネックをオーバーライドしてマップ広げたりサンダージョー狩りばっかしてないで、さっさとクエストを進めなさい。

 

そんな感じで、夜の合間にちょこちょこっと進めていた『トリコ』を先週末、ついにクリアしたので、プレイした感想を書いてみようと思う。ネタバレは特にないのでご安心を。PS4から取り込んだキャプ写真もネタバレはない……はず。たぶん。

 

実は『トリコ』をプレイする前、少し話題になったこのエントリを読んでしまっており、「同人嫁」の自虐的ワードに若干斜に構え卑下した手触りを感じつつ、上手な文章のゲームレビューと、開発者のひとりである夫への家族愛に心を揺さぶられたのだけど、『トリコ』を実際にプレイしてみて、ここで語られた内容が、まさに書くことがほとんどないってくらいほぼ同意見なので、自分はここで書かれていない、自分なりの解釈や視点で『トリコ』のことを書いてみたいと思う。

 

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『トリコ』をプレイしてみて、最初から最後まで一貫して自分を支配していたのは「これ、本当にゲームなの?」という不思議な感覚だった。トリコの動きや毛並みや感触もプログラムされたデジタルな存在でなく、まるでハイエナのようなキリンのようなイヌネコのようなホンモノのケモノ……動物そのものだったし、そびえ立つ巨大な塔や高所の建造物を歩くと、下を覗くとつい足がすくんでしまう高低差と、お尻がむずがゆくなるほど底なし谷のぼんやりした空気感がすさまじかった。初回限定版の特典ブックレットで、空中から眺める巨大な塔=東京スカイツリーをヘリに乗って撮影した話が掲載されていたが、塔の外から眺める視点と肌感がそのように生かされていたのかー、とクリア後に冊子を読み直して改めて感心した。以前、『ミラーズエッジ』でEA DICEチームが東京の街や埼玉の首都圏外郭放水路を訪問して写真を撮り、ステージデザインの参考にしたエピソードを何となく思い出したりした。

www.4gamer.net

 

 

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プレイ中、ぱしぱしと夢中で撮っていたキャプチャ一覧を覗くと、そのほとんどがトリコが穴に頭を突っ込んだりゴロゴロ甘えてきたりモノでジャレたりしてる写真ばかりで、いつの間にかトリコというペットにデレデレな親バカになってた。自分はイヌ好きで、昨年夏から実家で飼ってる柴犬を時々散歩に連れていったりするのだが、まだ1歳未満の幼犬ゆえ、なかなか言うことを聞かずヤンチャ盛り。トリコも時々言うことを聞かない(ってよりもうまく指示が伝わらない)が、幼犬と較べてトリコは賢いなーと思った。トリコって人間年齢に換算するといくつぐらいなんだろ。

 

件の同人嫁ブログで「自分はゲームIQが低いから、ちょっとした謎解きもうまくクリアできない」といった話をしていて、ゲーム下手な自分はうんうんそうだねそうだよねーと何度も頷いてしまったのだが、隣で家族が自分のプレイを眺めていて、謎に直面して行き詰まると「あそこの床の石がボンヤリ光ってる場所は、そこへ登って進めるって意味だから、そっちへ行くといい」と教えてくれて、本当にその通りなのですごーいと感激したら「こんなの、ゲームやってれば自ずと分かるものなんだよ!」と簡単に返す。長年のゲームプレイ経験から培われるのであろう、ここはきっとアレをこうするのだろうと、先への行動回路が働く、いわゆる“ゲーム感覚”を、自分はうまく習得できておらず、だからシューティングは敵の弾が見えてないからすぐやられる、格ゲーもガチャプレイしかできないのだが、それは完全にゲームに対して、やられたり行き詰まる原因をきちんと考察しないから……つまり、ほんの数回やってダメだっただけで技術を磨こうとせず、すぐにめげて断念して投げ出してしまう、勉強・努力不足だからだと分かった。

しかし『トリコ』は、そんなゲーム感覚が上手でないダメな自分でも、毎回どこかで行き詰まってしまいどうしよう……と困って諦めかけたその瞬間に必ず、自分で何かしらの発見をして、活路を見いだせるようなゲームデザインになっているのが素晴らしかった。きっとハードゲーマーが「こんなの分かって、できて当然だよ!」と豪語するような局面でも、大げさな自分にはとんだ一大事で、つまずくたびに活路が見えてまたつまづいて……の繰り返しがあまり苦でなかったというか、ストレスには感じなかった。人によってはヌルいのかもしれないけど、自分にとってはどこまで遊んでもストレスフリーだったのが非常に心地よく、巨大な遺跡や屋外など変わりゆく眺望を眺めつつ、かわいいトリコとの旅を楽しみながら堪能できた。

 

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自分(少年)とトリコとのスナップ。旅を続けていくにつれ、トリコと自分との信頼関係が次第にどんどん濃密になり、時には身を挺して、命がけで互いを救いあう。トリコがヨロイの槍にやられたり別の大鷲と死闘して傷つき、お腹が空いて動けなくなると、自分はトリコの食べ物(タル)を探し、タルを運ぶ……そうしているうちに、フトある映画のワンシーンを思い出していた。

www.youtube.com

アンドレイ・タルコスフキー監督の映画「ノスタルジア」。大好きな映画監督のもっとも好きな作品だが、大昔にミニシアター上映で鑑賞して以来もう何年も観ていない。しかし終盤の「ロウソクの火を消さずに広場を渡りきれば、世界が救われる」という狂人の言葉を主人公が試行する場面が、タルコフスキー作品内でも屈指の名シーンで、ずっと忘れられない。

『トリコ』と映画「ノスタルジア」、遺跡の雰囲気や質感、あらゆる世界観が、実はけっこう共通しているのではないかと気づいた。世界を救済するためロウソクの火を消さずに広場を渡りきるルールも、よくよく考えるとゲームっぽいというか、トリコのために命がけでタルを運んだり、脆い足場を歩き高所を綱渡りするのも「ノスタルジア」における世界救済と同じ原動力だ。「ノスタルジア」では、ロウソクの火は生命の象徴であり、主人公は果たして広場を渡り切れたのか……? 『トリコ』をプレイ済みでもし映画を未見であれば、ぜひその結末を確認してみてほしい。あらかじめ言っておくとタルコスフキー映画、ものすごーく眠くなります。不眠症に悩む方にもまじオススメ。別に退屈って意味ではなくて。自分も時間を見つけてまた観てみようかな。どこかの動画配信サービスで気軽に観られるといいんだけど。

 

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物語の終盤、トリコに危機が訪れる際に、自分は思わず「トリコ、がんばれー!」と大声で叫んでいた。トリコが敵と闘ってくれるたびに応援はしていたが、思わず口から、心の底から初めて声を上げてしまった。トリコと自分の意思が、ついにピタリと重なり合った瞬間だった。トリコとの旅も、ついに終わりを迎えていた。気づけばエンディング前からポロポロと涙を流していた。

クリア後、しばらくは虚脱感がすごくてボンヤリしてしまった。スタート画面でおもむろにボタンを押すと、すぐに2周目が始まった。トリコに勲章を付けたり、進捗具合によって少年の衣装が着替えられるようになっていた。トロフィーは時間内クリア2個と、たまたま偶然取れたコレしか取れなかったので、2周目はもう少しトロフィー獲得をがんばってみよう。

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気づいたらトロフィー取ってたから、ちゃんと観察おけばよかった……! ところでトロフィー獲得の瞬間も自動でキャプってくれるのね。べんりー。

 

長くなったけど、ひとまず以上が、自分の感じたトリコの感想。

『トリコ』はゲームをプレイするってよりも、トリコとの冒険と言ったほうがふさわしい体験だった。僭越ながら『トリコ』が生まれるまでにかかった長い時間の事情をこれまで知らなかったが、こりゃー長くなっても、苦労してしまっても仕方がないよ、と思う。『トリコ』以上の体験とまた出会えるのかしら……と、早くもgenDESIGNの次回作を期待せずにはいられないが、どんなにゆっくりでもいいので、その日まで元気に生きていくから、またこんな素晴らしい体験をさせてほしい、と心から願っている。

PS4をお迎えして初めてのゲームが『トリコ』で、本当によかった。IGD(いいゲームだった)。ありがとうございました。

 

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