Read me 激情

しがないゲーオタ女子の真・闇ブログ

大事な音楽はすべてゲームが教えてくれた【レースゲーム編・前編】

ネットでテキストを書くにあたり、前々から自分の個人的音楽趣味についてしっかり書き留めたいなーっていう長年の願望があり、このたびマイブログを持ってついにその願いも叶えられるようになったのだが、ほかに書きたいことが山ほどありすぎて今までずっと後回しになりっぱなしだった。

ゲームやりたい&ブログ書きたい熱が再燃して更新をしばらく定期的に続けてたら、出力欲が少し治まり頭の中が空っぽになったので、最近はPC作業中に何となくiPhoneのプレイリストやYoutubeで好きな曲を流したりしてる……うちに、これはもしや、自分の音楽趣味についてのエントリをいよいよ書くワンチャンなのでは!? と思った。出力欲全然治まってねーし! とまあ、ここはゲーオタブログなので、好きな音楽とゲームの関係を、個人的思い出と織り交ぜてひとつ綴ってみたい。

 

昔、20年ほど前、編プロに勤務していたとき、同じフロアで働く同僚にフランス人男性がいた。やってる仕事はそれぞれ別々だが、同い年かつ同じマルボロを愛するヘビースモーカーで、流暢な日本語を使いこなし、ともに楽しく仕事をしていた。彼が仕事中、よく聴いていたCDが『Wipeout XL』のサウンドトラックだった。

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Youtubeリンクは、極力公式チャンネルを貼りたいポリシーなのだけど、今回だけは特例で。以下同。

職場には、いつも彼が好みのテクノやハウスばかり流れていて、時々ヒートアップすると華麗なステップで踊り出したりするのを眺めていたのだが、やっぱりヨーロッパ人だから血の根底に流れるテクノが特に好きなのかなーと思っていた。そんな彼のセンス抜群なチョイスで、もっとも衝撃的なアルバムが本作だった。初めて聴いたとき、あまりにもカッコよくて「これ、何の曲なの?」と尋ねると、最近出たプレイステーションのレースゲームの曲だよ、と教えてくれて、即、ゲームソフトを購入した。これが今後の自分の音楽趣味とゲームの関係に、大きく影響を与えられたきっかけとなった。

 

Wipeout XL』は、ビジュアルからゲームデザイン、そしてサウンドまで、何もかもが生まれて初めて体験する衝撃で、最高にイカすレースゲームだ。シグノシスとTDRデザイナーズ・リパブリック)による、ヨーロッパ生まれのエッジの利きまくったデザインに乗せられた近未来反重力カーレースにアンダーワールドプロディジーケミカル・ブラザーズをはじめとする超豪華テクノアーティストのコンピレーションアルバムが搭載された、まさに“聴くレースゲーム”。タイトーZUNTATAサウンドタイトルにもよく謳われるような、まるで「音楽CDアルバムに付属されたゲーム」の初体験が『Wipeout XL』だった。彼からは、本作にも参加しているダフト・パンクの「Homework」も教えてもらったが、こちらも永遠の名作だ。そういえば彼らもフランス人だったね。

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ゲーム中ではイントロのみで超定番だけど、収録曲でもっともアガるのがやっぱしコレ。2004年のエレクトラグライドで初めて生で見られて感激したなー。デザリパもゲスト出演してて。『Wipeout XL』サントラ参加アーティストはほとんどオールナイト屋内レイヴフェスで観たよ!(森高千里“臭いものにはフタをしろ”の「俺は10回ストーンズ観に行ったぜ」と同じ階調で)

 

同時期に、社内休憩室のゲームでよく遊んでたのがプレステの『レイジレーサー』で、同僚たちとタイトルコールを真似しながらプレイしてた。『レイブレーサー』とか『リッジレーサー』が先じゃないのかよって話だが、自分的にはこっちがシリーズ初体験。ドリフト苦手だったので車種はアージュばかり使っていた。

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こちらはデジロック系サウンドが多いが、どのチューンもアドレナリンが上昇する疾走感がすさまじい。“Mech Monster”と“Silver Stream”が特にお気に入り。

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リッジシリーズはゲームもサウンドもすごく大好きだが、やはり『R4:Ridge Racer Type 4』がすべてにおいて最高。OP曲“Urban Fragments”からの“Movin' in Circles”、“Move Me”がお気に入り。シリーズのサントラだと「リッジレーサーズ ダイレクト・オーディオ」をよくヘビロテしてた。今のバンナムパワーで42歳になった永瀬麗子を復活させられませんかね? 同じく齢を重ねてずーっと待ってますから。

件の編プロで、スポーツカーを乗り回す偏屈でサイバーなテクニカル担当の男性先輩がいたのだが、自分がR4大好きなんすよーと話したら、めちゃくちゃぶっきらぼうに「ほれ、コレやるよ! 聴け!」と、ゲーム音源を取り込んだ自作のサントラCDをプレゼントしてもらったのを思い出した。心なしか、ちょっと嬉しそうだったな。

 

このように、自分のゲームと音楽の趣味は『Wipeout XL』でエンジン点火、『レイジレーサー』をはじめとしたリッジシリーズでアクセル全開になった感じ。レースゲーム×テクノの融合って、ゲーム音楽史上最高の発案だよね。こうして振り返ると、1995年以降から90年代末あたりが、音楽ジャンル界においてちょうどテクノが主流になった時期というか、ゲームにもムーブメントが反映されたのだなーと改めて気づいた。

もしあの頃、フランス人の同僚が『Wipeout XL』サントラをフロア内でガンガンかけていなかったら、自分はレースゲームにも特に興味が向かず、ゲーム由来のテクノっ子にもならなかった。彼とは互いに編プロ退職後も何度か会って、ここ数年はお目にかかっていないが、あれからたいそうご出世して、今では世界的企業のお偉いさんとなっているようだ。このブログが彼の目に届く機会はおそらくなさそうだけど……君のおかげで、人生で大事な音楽とゲームに出会えたよ。あの時は、どうもありがとう。もっとも出世した自慢の同僚を誇りに思いながら、これからますますのご活躍を、遠くから祈っているよ。


レースゲーム音楽についてもう少し語りたいのだけど、長くなりそうなので後編に続く。