11月2日土曜、時間を作ってウェアハウス川崎に行ってきた。
以前からいつかずっと行きたかったゲーセンだったのが、このたび11月17日で閉店とのことで、最後の機会となってしまったが、運良く時間ができたので駆け込みで行くことに。
ウェアハウス、実は数年前に友人たちと、今はなきウェアハウス東雲に行ったことがあった。豊洲駅からかなり歩いた記憶がある。あそこもレトロゲーム筐体が豊富でとてもよいゲーセンだったが、程なくして閉店してしまった。
今回は、当ブログで展開している「ゲーセンスナップ活動」特別編としてお送りする。
ビルの外観からしてヤバイ。近接の建築物と比較すると異物感がハンパない。
装飾から広告まで、ひたすら妖しくイビツな内装。外も中も、インスタ映えを狙いに来た若者から、ちょうど開催中の謎解きゲーム勢までぎっしり。どのフロアもとにかく大混雑だった。特に悪気はないんだろうけど、稼働中のテーブル筐体に謎解きゲーム中の人たちが座ってた。そこは腰をかけるだけの場所じゃないんだなー。ビデオゲームとは異なる熱気と賑わいを眺めていて、謎解きゲームは10-20代の若者間でまじで流行っているんだな、と思った。
自販機とクレーンゲーム機。まさか筐体にまで寂れた加工を施しているとは。男子トイレもすごい内装らしいが、女子なので入れず。入口から見た感じでは、何十年も清掃されてない不潔極まる公衆便所といった風で、めちゃヤバそうだった。実際は綺麗に清掃されてるんだろうけど、戸惑う。ちなみに女子トイレはオトメなファンシー空間で、とても綺麗だった。
『ラッドモビール』専用筐体!!!!! が、残念ながら整備中……ガーン。仕方なく筐体に座るだけ座って満足。このゲームに憧れて、マイカー(ギア君)のミラーにソニックのマスコットを付けたりしたのだった。
『ガントレット』筐体。一見寂れ加工なのか判断しづらいが、この画面焼けの感じとか最高すぎる。オーナーに大事かつ綺麗にメンテ維持されてる筐体もいいのだが、このゲーマーに使い倒され、なるべくしてなっちゃった感のある筐体も大好きだ。
『プロモナコGP』に至っては、起動しているものの画面がガビガビにバグってて何が何だか。ああ最高すぎる。これもデジタルの悲しみだよ!
その他大型専用筐体。ムービング筐体のスペハリをプレイする人が多かったが、みんなどう操作したらよいか分からない様子で、即ゲームオーバーになってた。自分はステージ2までは何とかクリアできた。写真でしか見たことのない『ストリートファイター』初代筐体も初めてプレイしたが、なぜこんなコントローラにした、としか言いようがなかった。かよわい女子の非力パワーでは圧力ボタンが一切反応せず、虚しい。デジタルの悲しみだよ!
非力な女子でもできそうなゲームを見つけた。握力と背筋力を測るゲー。子どもの頃によく見かけたなー。背筋力には自信があって、やってみたら手のひらが十円玉臭くなってしまった。数多くのゲーマーたちの手汗が染みこんだレバーなんだね……。
クレーンゲーム類。ナムコの『スウィートゴーラウンド』、後継機はよく見るけど、あまり見たことなかったかも。アームで景品を引っかけるらしい。どの筐体も、景品の展示に力が入っていて見とれてしまった。
ビデオゲームコーナー、音ゲーコーナーなど。奥行きが思ったよりもあり、どこまでもゲームが置いてあって、まるで天国のようだった。『スパイクアウト』と『スラッシュアウト』が4台ずつ向かい合わせで並んでるのなんて見たことがない。
別フロアにはダーツ、卓球、ビリヤードコーナーも。卓球まで一緒にできるとは。最近の若い子ってビリヤードやる機会があるのかなーと疑問視だったが、場所さえあればやっているのだろう。玉突きに興じてる若者を見てたら、久々にビリヤードをやってみたくなったが、自分の拠り所はビデオゲームコーナーなのでそちらへ戻る。
レトロゲームコーナーと、遊んだゲームとか。同行した家族と『SUPER魂斗羅 エイリアンの逆襲』をやったり。どれもやりたいゲームがいっぱいで目移りしまくり。1プレイ50円で両替した50円玉があっという間に消え失せた。レトロゲームコーナーでは自分のプレイを録画できるのが素晴らしいと思った。
バイバイだなぁ
— ちょっとT³-神威(◉w◉) (@kamuneko) November 14, 2019
もう2度この光景は見れないんだなぁ
愛されてたよねぇ
大好きだったもん、ココ
あたしが5年ぶりにスコア更新しただけの事はあるよ
いろんな人が来て、交流持って沢山のドラマもあった
あ〜…終わっちゃった(●´⌓`●)
でもあたしのガレッガライフと志は続く!#ウェアハウス川崎 pic.twitter.com/VWFsDkXWte
このツイートとは日付違いだが、そういえばレトロゲームコーナーで『バトルガレッガ』の全一プレイヤー、T3-神威氏を見かけた。やはり『バトルガレッガ』をバリバリプレイしていて、とてもキュートでカッコいい、きれーなおねーさんだった。このウェアハウス川崎でガレッガのハイスコア更新したとのことで、特別な想いで熱心にプレイをしているのを、背後でも伺えた。
写真は撮り忘れたが、クイズマジックアカデミー筐体が何十台もずらっと並んでいたり、ここはかつてゲーム大会が数多く行われていたのだな……と同時に、そこへ訪れたたくさんの人たちの、幾多ものゲーマーの思い出、「ゲームの青春」がたくさん生まれた場所なのだと気づいた。
ごく個人的な話だが、自分は若い頃、主に90~00年代において、アーケードゲームの思い出というものがほとんどない。どちらかというと、ひとりで遊ぶ家庭用ゲームに夢中で、ゲーセンに行ったりアーケードゲームを遊ぶ機会がなかった。ゲーセンで一緒に遊ぶようなゲーマー友人がいなかったせいもあるが、たぶん唯一遊んだのは、編プロ時代に飲み会の帰り、同僚らと高田馬場BIGBOXのゲーセンで、ビーマニやギタフリなどの音ゲーを遊んだり、親友宅の近所にある小さなゲーセンでマブカプを付き合いでちょっと遊んだり、ネトゲ(PSO)オフ会の集合場所で新宿のゲーセンに行く程度の、ごく薄っぺらいものだ。だから、アーケードゲームに青春を捧げた人たちが心底羨ましいし、尊敬する。
T3-神威氏が、ウェアハウス川崎に通い詰めて『バトルガレッガ』のスコア更新したのもゲームの青春だし、たとえ場所がなくなってしまっても、そういう青くさい思い出、青春を抱いて、これからを生きられるなんて、本当に羨ましすぎる。
自分は今さらになって、こうしてゲーセンへ通ってはゲームしたりスナップ活動をしているが、いま行きたかったあの頃のゲーセンはもう、このようにいつか消えてなくなってしまうし、若くて青くて煌めくまばゆい思い出すら作れない。あるのは自分が手にできなかった、遠い日の追憶だけだ。
ゲーム全般に青春を捧げる人たちは、総じて尊いし羨ましい限りなのだが、アーケードゲームは中でも特に尊さが高尚というか、やりこんだゲームと“その場”がセットになってるのが強い。しかし、静かに徐々に、そんな場がなくなっていくんだなー。ああ無情。
出口付近のラブドール。数多の男達と寝ては刹那の欲望を満たしてくれたであろう彼女も、もう客を取ることはない。余生は故郷へ帰って元気に過ごしてほしいな。
帰り道、歩道橋から。ウェアハウ。もはや意図的かもわからない電飾の欠けがたまらない。さすがに週末もあり、20時過ぎても客足は絶えなかった。
電脳九龍城、当初のイメージは、新横浜ラーメン博物館のような、内装だけそれっぽく作り込んだ建造物を想像していたのだが、まさか外装からディテールが練り込まれていたとは知らず、衝撃的だった。昭和の町並みとか、全国そこら中によくあるテーマ性のあるアミューズメント施設とは一線を画していて、建築・空間デザインの執念や情念みたいなものすら感じた。これが丸ごと消滅してしまうとは、まことに勿体ない限り。
閉店最終日の昨日撮影したウェアハウス川崎「電脳九龍城」の3Dデータ
— go | haquxx (@0505_lab) November 18, 2019
他のお客さんの邪魔にならなければ撮影OKとのことだったので一眼で手短に撮影
スピード重視&枚数少なめ&ピント激甘だけど早朝に行った甲斐もあり人も少なく何とか成功
ここまで作りこまれた空間は滅多に無いから貴重なデータに感謝 pic.twitter.com/oAZ5Dssb0F
そのうち有志の誰かがやるだろうと思ってたが、3Dデータ化してる人がいた。このたびの閉店を機に多くの人たちが記録と記憶、アーカイブしてくれたおかげで、いつかVRで電脳九龍城と再会できる機会があるかも。
しかし、こんなにたくさんのゲームが一同に並んでいて、そしてゲームを遊びに来ている人を見たのは、生まれて初めてかも。TGSなどのゲームイベントでも拝めないような光景だった。最初で最後、慌ただしい中での訪問だったが、一番賑わっている時期にこられて、よかったと思う。
ごく一部で写真も下手だが、自分も最後にウェアハウス川崎に行った足跡をブログの形で遺せてよかった。訪問者もロクにいないネット世界の果てブログで多分いないと思うが、もし万が一ここのレポ写真に自分が写っていて不都合のある方がいたら、鍵アカのうえにお手数ですが、当Twitterアカウント宛(@macgirl360)までご連絡ください。ブログの方針および、時代を映すゲーセンスナップ活動の信念として、基本写真加工はしないですが、なにか不都合あれば対処します。
自分が手に入れられなかった、ゲームの青春を持っている人へ。いつまでもその煌めく思い出を忘れずに、大事にしてほしい。