Read me 激情

しがないゲーオタ女子の真・闇ブログ

真夜中のみしらぬ迷い家ネコ

GW明けのある日、夜中の出来事。

寝室で寝ていたら、外からネコの鳴き声がニャオ、ニャオ、と断続的に聞こえてきて、夢見心地だったので、当初はたぶん夢の続きか幻聴かも……と聞き流していた。が、10数分経ってもずっと鳴き声が続いていて、さすがに気にかかり、そろそろ寝るところだった家族と一緒に、マンション1階の玄関を出て、耳をすましたら、やはりネコの鳴き声が。しかしネコが隠れるような場所は見当たらず……もしやこの中に? と、マンションの共用階段のドアを開けたら……ネコが、いた!

近所で時折見かける、いつもの野良猫かな? と思ったが、われわれを見てもじっとしていて、驚いて逃げる様子もなく、小さくニャオと鳴いた。そっと近づき抱き上げると、抱き心地がしっかりしたふくよかな体格で、毛づやもよく変な匂いもせず、目つきも穏やかで人慣れしていて、ツメも綺麗に研がれていた。この子は野良猫でなく、どこかの階に住む家ネコの子だと一発で分かった。
共用階段のドア内で鳴いていたのは、ドア下も狭くてくぐれず、階段踊り場も柵があり高すぎて降りられず、折しもテレワークや外出自粛で、マンションも日中~夜間に人の出入りが極度に少なくなっていたこの時期、誰かにドアを開けてもらうのを鳴いてずっと待っていたのではないか。
深夜も3時過ぎて、飼い主も探しようがなくこのまま放っておけないので、迷いネコを朝までうちに泊めることにした。

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迷いネコは家に上がるなり、ニャアと鳴きながら、部屋のあちこちをキョロキョロしはじめた。終始緊張していて、目がまん丸。おそらく自宅とほぼ同じ間取りだが、部屋の内装が異なるからか、どうにも落ち着かない様子。何度連れ戻しても、脱衣洗面所に入ってしまう。大相撲土産のタオルが映り込んでしまい恥ずかしい。

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ネコといえば段ボール箱かな、と箱に入れても、やはり脱衣洗面所へ戻っちゃう。いつもの居場所がここなのかな……。

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キッチン周りも気になるらしく、何度も行ったり来たり。もしや喉が渇いてるのかな、とお皿に水を入れてあげても、おやつで食べてる小魚をあげても、見向きもしない。むしろヘタに飲食させて具合が悪くなってもいかんし、慣れないおもてなしはスルーしてくれたほうがよいのかも。

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リビングには金魚の水槽があるし(ネコが居る間はカバーを被せて隠してた)、部屋中を登ったり粗相をされても困るから、お気に入りっぽい脱衣洗面所に入れてドアを閉め、一晩過ごしてもらった。朝、家族が起きたら、ネコはバスタオル収納の上で寝ていたらしい。ネコはほんとに高くて狭い場所が好きなんだなー。

一夜明け、朝ごはんの時間。キッチンでじっとして何かを待っているようだったり、部屋をうろついていたたまれない様子。膝に抱き上げると、すぐに降りてしまう。結局、部屋で粗相は一切せず、とにかく大人しくて躾がしっかり行き届いている、とてもいい子だった。

朝イチで管理人室へ迷いネコの連絡に行ったら、ちょうど迷いネコの飼い主らしき少年が管理人室へ来ていたところで、すぐに飼い主が見つかり、無事に引き渡しできた。うちの玄関前で飼い主少年にネコを渡そうとしたら、興奮してしまったのか、突然逃げ出してうちの中へ戻っちゃったので、笑ってしまった。

夕方、飼い主の少年と母親が、菓子折を持参して、ご丁寧にネコ保護の御礼の挨拶に来てくれた。こんな営業自粛で菓子店も開いてない時期に、コロンバンの焼きショコラを……恐縮!

話を伺うと、ネコのご家族はマンションの4階に住んでおり、どうやら前日、父親が出勤時に開けた玄関から逃げ出してしまい、脱走はこれで2度目。1度目は別階のイヌ飼い世帯が廊下にいたのを保護してくれたらしい。
ネコは家に帰宅後、しばらく興奮して慌てていたが、夕方になりやっと落ち着いたとのこと。発見時の状況や、一晩うちで過ごした様子を報告すると、好奇心の強いタイプでなく、家の中では部屋をうろついたりするのは普段滅多にしないようで、意外な反応だった。朝ごはん時、台所に常駐していたのは、やはり家ではいつも台所でごはん待ちをしているからだと分かった。本名も教えてもらったら、オスの子のような名前だった。ふくよかだったし、たぶん去勢した男の子なのかな。
ご家族は「いい人の家で保護してくれて、本当に助かりました、ありがとうございます」と手厚く感謝されたが、むしろこちらが感謝したい。躾も行き届いていて、家族から愛情をたくさん注がれて、大切に育てられているネコなのだろう。もし内ドアが開いて不意にマンションの敷地外へ出てしまっていたら……首輪も着けてないし、外出自粛中で満足に外出もできない現在、捜索が尚更困難になる危ないところだった。あの時、迷いネコの鳴き声を無視せずに、うちで保護できて、無事に家へ戻れて、本当によかった。


ところで、ネコを家に招き入れたときから、家にネコがいる現実が、視界の中にネコが映っているのが、なんだか夢のようで信じられず、一晩寝ている間も、フワフワと不思議な気持ちだった。ネコといっしょの日常って、こんな感じなのかなーとか。

自分の家はずっとイヌ派で生まれ育ち、実家両親は今もイヌ2頭と暮らしている。イヌもネコも同じくらいに好きだ。ただ、ネコとは個人的に縁がないだけで、その人見知りで気まぐれな性格もあり、ネコがいる家へ訪問しても、ネコと接する機会がほとんどない。昔、武蔵小山で一人暮らし時代に、ベランダへ時々遊びに来ては部屋にまで入り込んできた、近所の人なつこい野良黒ネコを、バビル二世から「ロデム」と名付けて、奇妙な共同生活を送っていた。ベッドで突然粗相されたりして大変だったな……と、ロデムのことをふと思い出した。

3年前、フェレット2匹のうち最後の1匹を看取り、つらかったフェレロスもだいぶ治まり、昨年夏、縁日とホームセンターでお迎えした金魚4匹との暮らしを楽しんでいる。家族たちも動物が大好きだし、いつかネコもお迎えしたいな……と願っているが、金魚がいる間はちょっと難しいかー。けど老後に、縁側の日だまりでネコを膝に乗せてうたた寝……とか、めちゃくちゃ憧れるんだよね。

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ネコを保護している間、さだまさしの「にゃんぱく宣言」が、なぜか頭の中でずっと流れていた。新型コロナの影響で、最近テレビCMが差し替えられてACジャパンCMばかり頻繁に放映されているせいもある。かつてないほどステイホームが徹底されている最中、ステイホームの象徴のような存在の家ネコが、家出して迷子になるというのは、なんだか人類への皮肉にも感じられた。

これを機に、ネコの魅力に取り憑かれメロメロになり、かねてより憧れであるネコを飼いたい気持ちがついつい大きくなってくるが、ネコを家へ迎え入れることは、ネコの一生を預かり、いのちを託されるわけで、金魚と暮らしていて、田舎へ帰省や旅行外泊する機会が多い自分には果たして、ネコと毎日暮らし、一生を添い遂げられるだけの覚悟や責任を、受け容れられるだろうか? と自問自答してしまう。
現実的にネコを飼いたい/飼えるか問題はさておき、こんなフトした気付きやきっかけで、ほんの一瞬の間だけでも、突如ネコと一緒に暮らす体験ができたのは、めったに訪れない機会で、とても貴重で、すごく楽しく刺激的で、ワクワクドキドキな出来事だった。外出自粛制限のせいで、緩みがちでマンネリ気味だった毎日に、突如舞い降りて、すぐに帰ってしまった天使のようだった。

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そういえば、ただいまプレイ中の『あつ森』で、先日メーデーイベントに「みしらぬネコ」が登場して感激したばかりだが、リアルでみしらぬ迷い家ネコと出会えて、とてもよかった。ぶつ森シリーズにおけるみしらぬネコの登場シーン、ゲーム開始の初期設定も兼ねていて、ゲーム史上最高の導入部だと思ってる。また逢えるといいな。

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ネコちゃん、うちへ遊びに来てくれて、本当にありがとう。また来てね……とは言えないけど、もし次に再び迷子になったら、うちを思い出して、また共用階段のドア内で、鳴いて呼んでね。

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ねこの写真ヘタクソ選手権。ネコの写真を撮るのはまことに難しい……。