先日予告したとおり、PayPal500円オフクーポンを利用して、Xbox One版『Cuphead』を買った。
Steam版でもよかったけど、今回は家族とリビングで2Pプレイしたかったので、One版にした。フレンドはSteam版購入のほうが多いかも。
第一印象は、みんなが口を酸っぱくしながら合言葉のように連呼してるが、とにかくいきなり激ムズ。何度もチャレンジしてやっとクリアしても、評価CかDランクしか取れない。ゲームうまいフレンドはチャチャッと実績全解除&Sランク全埋めしたりしててまじでSUGEEEと思った。己自身のへたれゲームプレイに改めて向き合わせられ、打ちのめされ、これでもかと痛感させられる。
しかし、一見カワイくてキャッチーだけど猛毒を含む圧倒的な手書きアニメグラフィック、ボス戦とRun&Gunステージをあえて分けて極限までシンプルに削ぎ落としたゲームデザイン、『魂斗羅』や『超魔界村』『ガンスターヒーローズ』など日本の名作ゲームのリスペクトを数多く取り入れ、何年も待たせてもらった甲斐が十分にあった。ただいまゲーム評論界隈では排他的だの何だのどーのこーの議論がアツいようだが、たった数ステージしかクリアできてなくても、ほんの数千円でこんなにすさまじいゲーム体験をさせられて、めちゃくちゃ感激かつ満足している。まじでヘタすぎるけど、だからこそステージの、ボス形態の先をもっと見てみたい、ゲーム自身が本来引き出してくれる、クリアしたい努力を自発的に掻き立てられる。基本死にゲーで難易度高めのアクションは得意でないが、愛らしいモーションのかわいいキャラに瞞され……いや免じて、つい許しちゃう。いいんだ……ヘタなのは自分の責任だからいいんだよ!
有線コンも新たに購入して、One版のローカルcoopを家族とやってみたのだが、何度かフリーズしてしまい先に進めない……! 上写真は固まった瞬間を記念に(?)撮ったもの。どっちかがダメージを受けた時に頻発するみたい。ほかのOne版ユーザーでも同様の不具合が出てるのか分からないし、時期は未定のようだが、いずれバグ修正や日本語対応などのアップデートが来るので、しばらくはシングルで進めようかしら。日本語いらないかーと思ったが、マップ中に割とテキストが多めなのでやっぱり早く日本語対応してほしい。
『Cuphead』プレイ前に、Youtubeでたまたまベティ・ブープの(ホントはミュージシャンのベティ・ブーのPVを見たくて検索したらサジェストされた。まぎらわシリーズ!)動画を見る機会があったのだが、まさにこんな世界観やフィルムの質感で構成されてるし、フライシャー兄弟の1930年代アニメ作品モチーフ&発想のゲームって今までなかったろうし、さらにキャラを手書きでなめらかに動かすなんて、もはや神や悪魔の所業ではないか。近頃、同じくたまたまだけど、100円ショップで買った「トムとジェリー」や「白雪姫」などの著作権切れオールドアニメDVDを親戚の幼児たちと見ているので、コミカルなアニメタッチが目によくなじんでくれる。
フライシャー兄弟といえば、「スーパーマン」に出てくる空飛ぶロボットがルパン三世のラムダやラピュタのロボット兵の元ネタになったのを流れで知ったのだった。しかしベティ・ブープとスーパーマン、同じ作家作品とは思えない。どっちの線もイイよね。30年代カートゥーン風ときたら、次は40年代アメコミヒーロー風のゲームなんてどうっすかね。
あと、30年代アニメで流れていたビッグバンドやラグタイムを忠実に再現したBGMも最高にイカす。フレンド経由で知ったのだが、いまハマってるSpotifyで『Cuphead』インスパイアなプレイリストがあったりして、聴きまくってる。フォローアーティスト登録がめっちゃ捗っていいわー。
『Cuphead』がとても素晴らしいのは、ゲーム内容だけでなく、アニメと音楽も、ゲームから興味が湧くいいきっかけになっていること。過去にゲーム音楽のエントリで何度も書いているが、ゲームから影響を受けて音楽や映画など別のカルチャーを好きになる機会が、すごく大事だと信じている。自分にとって、ゲームはカルチャーの宣教師でもあるのだ。本作がまさにそれを体現していて感激する。デジタルネイティブな若い世代も、30年代アニメやビッグバンドを好きになったら嬉しいなー。
Steam版の売り上げもかなり好調みたいだし、『Cuphead』の世界がますますもっと広がっていくのを心から願ってる……そして全員、YOU DIED! しまくれ!!