前編のつづき。自分がクラウドファンディング支援してるのが、主にゲーム関係ばかりだという気付きから、 過去のクラファン歴をまとめてみることにした。macgirl360.hatenablog.com
■ 日本のゲーセンドキュメンタリー「100 Yen」
www.indiegogo.com
wired.jp
思えばこれが初めてのクラファンbacker体験だったような。ゲームニュースで存在を知って支援。もう8年前になるの……近作だとNetflixオリジナルドキュメンタリー「ハイスコア:ゲーム黄金時代」のように、今やゲーム系ドキュメンタリーも一般普及してきたが、当時は今ほど制作されておらず、しかも海外視点の日本のゲーセンドキュメンタリーに興味が湧き、ぜひ見たいと思い、拙い英語力を使って支援手続きした。DVDとスタッフクレジット掲載コースを選んだ。周辺のゲーオタ友人たちも数人支援していて、スタッフクレジットのbacker一覧で名前が一緒に並んでたり。
海外からDVD実物が届き、パッケージに作者の直筆サインが書かれていた。Macが苗字ではないんだが、感激した。
■アーケードゲーム筐体デザイン復刻アートブック「ARTCADE」
ARTCADE - The Book of Classic Arcade Game Art by Tim Nicholls — Kickstarter
ARTCADE - The Book of Classic Arcade Game Art (Extended Edition)www.bitmapbooks.co.uk
レトロアーケードゲームの筐体デザインを、イラレやフォトショップで復元させてアートブック化する計画で、記憶が不確かだがTwitter経由で知った。2013年からプロジェクト開始、2016年にやっと実物が届いたような……長かったなー。バッカー向けに定期的な進捗メールが届いていたが、もう何年かかってもいいからイイもの作ってくれー! と完成を切願していた。
ほぼ原寸大掲載だろうか。横長寸法で開くと机いっぱいになるので、膝の上から。今でも時々読み返すたびに、ビデオゲームアートのワクワク感にトキメキ、美しさに惚れ惚れする。こういう素晴らしいゲーム本が作りたかった……と嫉妬すら覚える。これのサイドパネル版があったら読んでみたいなー。
ゲーセンで時折レアな実物筐体に遭遇すると、印刷の経年劣化でいい味を醸し出しているのもワビサビを感じてよいが、いつかは形が無くなってしまうモノを、当時の美麗アートを復元し、ゲーム史上の資料として現代に形を残したことに、敬意を表したい。
そういや巻末にCDーROMが付いてたような……と再生してみたら、どうやらThe British IBMというイギリスのインディーズバンドのアルバムみたい。バンド名やPVのセンスからしてメンバーがゲーム好きっぽい。作者のゲーム友達なのかな。
ほほう。UKロックしてて、いいんでないのー。音はオアシスとかウィーザーっぽい。
最近のリリース曲も聴いてみた。ロックダウンで外に出られないからゲームしたり演奏したり料理したり。リモートでも引き続き活動してるみたい。これからも頑張ってね。
■Bloodstained: Ritual of the Night
www.kickstarter.comgamesource-ent.jp
『悪魔城ドラキュラ』シリーズ制作者のIGA氏がコナミ退社後に立ち上げた、メトロイドヴァニアの新作ゲームプロジェクト。『キャッスルヴァニア』の精神的続編……意気込みヨシ! と支援したら、あっという間に目標達成、ストレッチゴールも次々更新されまくった。シリーズ人気からして、国内より海外勢からの支援が特にアツい。続編も出てよかったね。本作の資金調達成功がきっかけで、新作ゲームタイトルをクラファン支援する動きが各方面でも始動したような。
■Battle Chasers : Nightwar
90年代アメコミブームに登場した、Image Comics(イメージ・コミックス)の名作「Battle Chasers(バトル・チェイサーズ)」が原作のゲームプロジェクト。「Spawn(スポーン)」ブームからのImage Comics、Top Cow Productions(トップ・カウ・プロダクション)が自分のアメコミ入門で、特に本作と、日本舞台でアニメ化もした「Witchblade(ウィッチブレイド)」、「The Darkness(ザ・ダークネス)」、「Danger Girl(デンジャー・ガール)」が大好きで、アメコミショップで買って読んでいた。マーベルやDCなどのメジャー出版社の王道ヒーローアメコミよりも、派生型の新規参入レーベル作品が好みで、カッコイイ&カワイイ女子キャラが活躍するのがとても気に入っていた。この頃から闘うヒロイン好きだったのかも……。
「Battle Chasers」は、原作が日本のRPGやマンガ、アニメから影響を受けたファンタジー作品で、登場キャラも両手に魔法のグローブ装備の少女、ゴッツい大剣持ち剣士、グラマーな巨乳女ガンマン、魔法使いジジイ、ゴーレム風ロボットと、ベタな設定が斬新で、絵も物語も魅力的でワクワクした。作者のJoe Madureira(ジョー・マデュレイラ)は、アメコミ作家からゲーム制作に転身してゲームスタジオ(Airship Syndicate)を設立、『Darksiders』シリーズを制作するのだが、自身のスタジオで「Battle Chasers」をゲーム化するとのことで、原作大好きな自分は喜んで支援した。
……が、実は『Bloodstaind』も『Battle Chasers』も、いまだ未プレイだったりする。ダメじゃん! 支援もほんのお気持ち程度で、実物ソフト込みではなかった。いずれもどのプラットフォームでも移植されてるから、そのうちやらねば。しかしBattle Chasers、原作がちゃんと完結してないんだよね……マデュレイラ先生、ゲーム作りが落ち着いたらまた続き描いてよー!
■R-TYPE FINAL 2
www.kickstarter.comrtypefinal2.com
『R-TYPE』シリーズの開発者チーム会社、グランゼーラが昨年立ち上げた『R-TYPE』続編プロジェクト。R-TYPEはめちゃ好きだが、FINALが出てるのに2とはコレいかに!? と意気込みを買い支援。ナレッジ確認したら、こっちはデジタルコピー(全プラットフォームのダウンロードコード配布)だった。ホッ。
www.youtube.com本日21時から、九条一馬氏によるお詫びと報告のYoutube生配信があるらしいが……また発売延期とかかなー。まあ気長に待ってるから、最高のR-TYPEを作ってほしい。
■おまけ番外編:ゲーム以外の寄付支援
www.makuake.com
数ある少年ジャンプ漫画の個人的オールタイムベスト3を挙げるとしたら、間違いなくにわのまことの「THE MOMOTAROH(ザ・モモタロウ)」を選ぶほど、最高に好きな漫画作品。残り2作は、にわのまこと氏の元アシ、土方茂(現・小畑健)の「CYBORGじいちゃんG」、巻来功二の「ゴッドサイダー」と「メタルK」。
てっきり実現済みかと思っていた「ザ・モモタロウ」のプロレス実体化、実はまだだったらしく、2.5次元プロレスとして実現させるためのクラファン開始のニュースを聞きつけ、漫画全10巻デジタルデータ&試合映像DVDコースで支援した。
忘れた頃にやってきたDVD。そういやまだ開けてないや……DVD制作にだいぶ時間がかかったらしく、まこりん直筆サイン入りお礼&お詫びペーパーが入っていた。実際どのクラファンも、無事に目標達成しても資金繰りや制作進行に大変な労力がかかり、進行がダダ遅れになってしまうようで。大好きなコンテンツに資金支援した身としては、望み通りのブツを確実に入手さえできれば、もういくら時間かかってもよいので、制作者が満足のいく形を見せてほしい次第。
www.kickstarter.com
コミック『えの素』アニメ化 |Enomoto - The Animated Film by Hiroaki-Magari — Kickstarter
こちらも大好きな漫画作品、榎本俊二の「えの素」のアニメ化プロジェクト。エログロ下品すぎて映像化不可能では……と不安がよぎったが、サンプル動画を見たら原作のスピード感を忠実に再現していて、監督がまがりひろあき氏と知り、これなら大丈夫と確信、アニメDVD&描き下ろし新作冊子付きコースで支援。エロい葛原さんも見られるといいなー。あともちろんタミーもね。ロールミー!! ロ-ルユー!!
名作洋画の広告ポスターの題字、デザインを手がけた図案士・檜垣紀六氏の作品集プロジェクト。書籍版が発売したら絶対に欲しいと思ったので、ついでながらステッカーと収納ケース、アーカイブ冊子付きコースで支援。デザイナーの端くれとして、氏のデザインを幾度となく参照したことか……! これまでの支援でも一番高額な15,000円だが、映画界隈のしかるべきスタッフが編集・制作しているので、間違いなくお金で買えないほど資料価値の高い、貴重な書籍になってくれるはず。さらに完成遅延したようだが、楽しみに待ってます。
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以上、マクガ的クラファン歴でした。こうしてまとめてみると、けっこうな点数で投資してるなーと、我ながら感心する。しかもすべて目標達成していて、ファンとクリエイターの情熱に泣けてくる。新たにクラファン支援の機会があったら、ここでお知らせするかも。
単純にあったら欲しいなーというアイテム物欲のためだけでなく、夢を見せてくれた作品たちに、また夢を見させてもらいたいし、ファンの熱意で実現可能な夢の芽を、現実問題で摘まれてしまうのはむなしく、寂しいので、資金調達したい側、支援したい側も、どうかダメ元でいいからチャレンジしてみてほしい。自分みたいなイカれた酔狂が、きっと世界のどこかに何人かいて、クラファンに協力してくれるだろうから。