Read me 激情

しがないゲーオタ女子の真・闇ブログ

叔父の赤ツインファミコンとドクター・カオス

ポケモンSVクリアの話を書こうと思っていたが、予定を急遽変更して、別の話を書く。

福島の田舎の母方叔父(母の弟、60代)が、亡くなった。自宅で孤独死していた。県営住宅を借りる際に連帯保証人になっていた母に今月頭、管理会社から電話が来た。叔父の隣の住人が、叔父の部屋の電気がここ数日付いていないので心配との連絡を受けた管理会社が部屋に入ったら、倒れている叔父を発見し、すでに亡くなっていたらしい。警察の検死の結果、死亡時刻は先月1月中旬頃、死因は脳梗塞。最強寒波で寒暖差も厳しく、20数年前にも一度脳梗塞で倒れており、昨年末に怪我をした際には足が痺れる、視界が暗くなるなどの症状を従兄弟に話していたようで、その時に兆候を気づいていれば……と、今さら悔やんでも悔やみきれない。

叔父は独身で、田舎の本家から離れて一人暮らししており、この正月も母が携帯に何度電話しても連絡が取れず心配して、田舎の従兄弟に頼んで様子を見てもらい、やっと連絡が取れたばかりで、携帯の不調で繋がらなかったと話したのが、最期の会話となった。また叔父は昨年、ローンが払えなくなったとかで車を手放してしまったらしく、仕事も辞めて年金暮らしをしていたようで、母がそれなら高速バスでもいいからこっちに来てしばらくうちで暮らしなさい、と嘆願していたのだが……母が懸念していた通りの、最悪の結末になってしまった。

今週火曜、時間が取れたので、日帰りで最期のお別れに行ってきた。叔父がローンを払えず手放した車は、従兄弟から聞いた話だと、実は車は事故で廃車となり、新車で30万のバイクを買ったとのことで、叔父の話と事実が食い違う疑問点が複数あった。姉である母には言いにくい、複雑な事情があったのだろうか。叔父の死の状況も、もはや何もかもが分からないままとなった。

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叔父が買った新車バイク、ヤマハアクシス。叔父は若い頃、オフロードバイクに乗って山登りをしていたライダーで、いま流行りのリターンライダーになりたかったのかな……と思いきや、125ccのスクーターで、まだ200kmほどしか走っていなかった。125ccなら自分も(教習所卒業以降乗ってないけど)乗れるかな? と形見分けを期待したが、バイクもローン未払いで処分決定とのこと。残念。

喪主を務める田舎の親族と母はほぼ絶縁状態にあり、火葬後の埋葬の件でも意見が合致せず揉めていたが、葬式の一日で終わるような話し合いではないため、改めて出直す形となった。下手をすると、このまま叔父は無縁仏になってしまうかもしれない。叔父を長年苦しめてきた、田舎の嫌な面を煮詰めたような親族の、ひどい仕打ちや怨念が死後も続くことに、強い怒りと憤りを感じる。どんな場合でも自分は人の不幸を願うタイプではないが、田舎の彼らにおいては、いつか然るべき因果応報が訪れるよう、心から願っている。

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自分が生まれてから現在までの、叔父とのさまざまの思い出がよぎる。80年代半ば、小学生の頃、田舎の母屋の離れにある叔父のプレハブ小屋の部屋には、シャープの赤色のツインファミコンが置いてあった。うちにもディスクシステムがあったが、友人でも所有していなかった高価なツインファミコンはまるで宝物のようで、盆と正月に田舎へ帰省するたびに触らせてもらうのが、娯楽の少ない田舎での楽しみのひとつだった。

叔父が持っていたファミコンソフトで覚えているのが、ディスクシステムグリーンベレー』(KONAMI)と『ドクター・カオス 地獄の扉』(ポニーキャニオンの2本。ファミカセもあった気がしたが、毎回叔父の部屋でひたすら遊んでいたのがこの2本だけで、ひょっとしたら叔父はこれ以外ゲームソフトを持っておらず、これしか遊んでいなかったのかもしれない。

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今さらながら、数あるファミコンソフトの中で、叔父はなぜ『グリーンベレー』と『ドクター・カオス 地獄の扉』を選んだのだろうか。パッケージの男らしさ、渋さでチョイスしたとか?

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特に『ドクター・カオス 地獄の扉』は、ゲーム内もまったくノーヒントで、館の中でドアを開け室内を物色し、何も進展しないままただひたすら延々と館を彷徨っていた。室内でいきなりランダム出現するモンスターがトラウマ。改めてプレイ動画を見ると、武器アイテムを回収しながら室内の壁を叩くと穴が空き、ワープ空間が現れる。移動先の中ボスを倒してレーザーの装置パーツを収集。装置が完成するとラスボス(ドクター・カオスが変化したモンスター)と対決して……こんなん絶対分からんわ~! そもそもドクター・カオス=主人公キャラだとずーっと認識してた。超空間センサーというアイテムがないとワープ空間を見つけられないし、謎解きホラーアクションアドベンチャーとしては、難易度がかなり高い。室内探索パートが『バイオハザード』を彷彿とさせる。

叔父と一緒にプレイすると、室内パートで無茶なコマンドを入力すると出てくるセリフ「ヤハリ ムリカ」を、面白おかしく真似していた。叔父もきっと『ドクター・カオス』をクリアができないままだったのだろう。田舎に盆正月帰省していた中学生くらいまでは、叔父のツインファミコンで本作をプレイしていた記憶がある。しかし叔父の所有ソフトはいつまでも増えず、その後、叔父の赤ツインファミコンがどうなったのかも、定かでない。

田舎の親族たちの家にはゲーム機がなく、娯楽といえばパチンコや競輪、花札などの博打しかなかったため、叔父の部屋にゲーム機があるのはとても新鮮に感じられた。叔父のいない今となっては、なぜあの頃叔父は赤のツインファミコンディスクシステムのソフトを買ったのか分からずじまいだが、もしかしたら自分たち、甥と姪が田舎へ遊びに来たら楽しんでもらうために買ったのかもしれない。叔父が元気なうちに、そういう話をもっと聞いておけばよかったな。叔父には世話になりっぱなしだった。ゲームの思い出をくれて、ありがとう、さようなら。

斎場へ行く前、従兄弟の家へ立ち寄ったら、年老いた飼い猫がまだ生きていて驚いた。近づいても逃げずに、撫でさせてもらえた。母の姉、伯母が亡くなる前、叔父が飼っていた猫が産んだ子をもらい迎えて、かれこれ23歳。伯母や叔父の分まで長生きしてくれて、感動した。これからもお達者で。